晴読雨読

読書記録

宮廷神官物語

『宮廷神官物語 一』榎田ユウリ


聖なる白虎の伝説が残る麗虎国。飛び抜けた才により、十八歳で宮廷神官の職務を与えられた鶏冠は、現在数えで二十一歳の美貌の若者である。この鶏冠、優秀なのだが少々変わっている。王に次ぐ権力を持つと言われる神官を目指したのも「書を読みたいから」で、それ以外は無欲…もう一つのあることを除いては(笑)そして女と見まごうほどの美貌である代わり、非力。喜怒哀楽を表現せず感情を抑制する事を求められる神官らしく表情が無いので何を感じているのかわからない。


物語は鶏冠が王命を受け、次の大神官を決めるために奇跡の少年「慧眼児」がいると噂される村へと向かうところから始まる。悪路を超えてその村に行ってみれば、そこにいたのは山猿の様なやんちゃな少年、天青。捨て子で三つ目の少年は村で散々つまはじきにされ、人の心の善悪を見抜く「慧眼」の能力も怪しい…。布で隠した第三の眼の真贋はいかに?


鶏冠は、礼儀を知らない野育ちの天青を、彼を守る屈強な村の青年曹鉄と共に王都へと連れて行く帰途に着くが、彼らを次々と襲う思いがけない出来事…。


面白かった〜!キャラクターがはっきりしていて、ハラハラドキドキの冒険、まだ世間を知らない少年と、素材は良いけれど経験不足の青年の絆と成長物語!これは次を読まねば…。やっぱりファンタジーものは登場人物のキャラに自分の推しが見つかるかどうかも大きなポイント。絶対シリーズを追いたくなるから、他の方の投稿を今まで一生懸命読まずに我慢して来たのに、カドフェスに釣られて手をつけ、痛恨…(笑)
 f:id:aromatomoko:20190731165317j:image