晴読雨読

読書記録

2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧

宮廷神官物語

『宮廷神官物語 一』榎田ユウリ 聖なる白虎の伝説が残る麗虎国。飛び抜けた才により、十八歳で宮廷神官の職務を与えられた鶏冠は、現在数えで二十一歳の美貌の若者である。この鶏冠、優秀なのだが少々変わっている。王に次ぐ権力を持つと言われる神官を目指…

線は、僕を描く

『線は、僕を描く』砥上裕將 講談社 交通事故で突然両親を失ってから、心の中の真っ白なガラスの部屋に一人引きこもり、深い孤独の中にいる青山霜介。そこから出られないまま大学生になった彼は、展示会場設営のアルバイト先で、水墨画の巨匠、篠田湖山と出…

後宮の烏

『後宮の烏』 白川紺子 ナツイチの栞欲しさに購入(笑) 集英社オレンジ文庫。 後宮にありながら、帝の夜伽をせずに呪術を駆使して人々の願いを聞いたり怪異を解決する「烏妃」と呼ばれる特殊な妃がいた。先代から役割を引き継いだ寿雪と言う名の16歳の烏妃…

歌おう!感電するほどの喜びを!

『歌おう、感電するほどの喜びを!』レイ・ブラッドベリ 伊藤典夫訳 レイ・ブラッドベリの作品に初めて触れたのは確か中学生の時だったと思う。『10月はたそがれの国』『何かが道をやってくる』を読んで陶酔状態になった記憶がある。その割に次々と作品を読…

ファイアガード

『ファイアガード』 鷹樹烏介 『ガーディアン』の続編。今回は初っ端から激しい銃撃戦が展開され、新しい人物が登場!と思う間も無く敵味方、ほぼ皆殺しその後も死屍累々。なかなかにバイオレンス強め、エグい展開に。前作で、このままラブコメ路線で行くの…

ガーディアン

『ガーディアン 新宿警察署 特殊事案対策課』 鷹樹烏介 23人を殺害し、最高裁で死刑が宣告された連続殺人鬼は、死刑執行された後にベッドの上で蘇生した。どうやら彼の「交感神経β受容体異常」という極めて珍しい体質が役に立つらしい…。簡単に言うと、薬物…

秘密 上下

『秘密 上・下』 ケイト・モートン 著 青木純子 訳 東京創元社 久々に読み応え満点のミステリーだった。 1961年の夏。イングランドはサフォークの田園地帯。《グリーンエイカーズ》と呼ばれる農家で暮らす絵に描いたように幸せな家族。その家族の16歳になる…