晴読雨読

読書記録

2019-05-09から1日間の記事一覧

犬も食わない

藻 『犬も食わない』尾崎世界観、千早茜 ロックバンド「クリープハイプ」の尾崎世界観さんと、千早茜さんの共作恋愛小説。雪下まゆさんの、この装画と題字が一目見た時から好きで、ジャケ読み。 言葉が足りないグダグダなダメ男桜沢大輔、いつも苛立ってヒス…

平場の月

『平場の月』 朝倉かすみ 本当に切なかった。中年の男女の恋と言うよりも「慈しみ」の様な愛の話だと思った。 青砥健将50歳。転職、引っ越し、親の介護、離婚。息子たちは離婚を機に独立して疎遠。人生の山も谷も過ぎて都内から地元埼玉に戻った青砥の日常は…

父と私の桜尾通り商店街

『父と私の桜尾通り商店街』今村夏子 表題作を含めた短編6編を収録。どこか不穏さを孕んだ話。御伽噺の様な雰囲気を持つ奇妙な話。ほっこりしそうなのに読み終わったらうすら寒い気味の悪さが残る話…。 本人は健気で懸命なのに、その一生懸命さが世間とはズ…

西瓜糖の日々

『西瓜糖の日々』 リチャード・ブローティガン 藤本和子訳 アイデス〔iDEATH〕のすぐ近くの小屋に住んでいる「私」が語る日々。「私」には決まった名前が無い。私たちがノスタルジックに思い浮かべることがあったら、それが彼の名前になるらしい。 彼の住ん…