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読書記録

天才はあきらめた

『天才はあきらめた』山里亮太


10日前、テレビではなくネットニュースでお笑い芸人の山里亮太さんと女優の蒼井優さんの結婚を知って、常日頃芸能ニュースにほぼ関心が無い私でさえ腰を抜かすほど驚いた。そして結婚会見の模様をYouTubeで見て、気づいたらこれを読んでいた…(笑)
2006年に刊行された『天才になりたい』を大幅加筆修正したのが本書。


読んで思ったのは、山ちゃんはとにかく物凄い努力の人ということ。相当な人見知りで、緊張しやすく、根は超真面目な人と言うことた。そして…そんな山ちゃんを小学生の頃から劣等感をプラスに変える言葉で包んだお母さんが凄いと思った。


ご本人も書いている様に元々面白いキャラクターでは無いと思われる著者が、だからこそ(天才ではないと深く自覚した)異常とも言えるほどネタ作りの努力をし、相方を追い込んで潰してしまい、売れている先輩、同期、後輩に嫉妬しまくり、マイペースなしずちゃんばかりが目立って各方面で売れていくことに嫉妬の鬼と化した様子が赤裸々に書かれている。


読みながら、大学時代に心理学の教授が「努力すれば誰でも願いが実現するわけではないんです。「努力すること」も才能なんですよ」と言われた事を思い出していた。そう、山ちゃんは「努力」の天才なのだと思う。


そして真っ黒ドロドロの怒りや嫉妬心を自分が頑張るためのガソリンに変え、後ろ向きでマイナス思考、自滅して行く自分の流れを寸止めさせるための「褒められ貯金」やメンタル浮上の仕掛けは、自己啓発本並みに凄い。ストイックな受験生を見ているよう。自己啓発を広める事を仕事にしている人の啓発本よりも人によっては心に響くかも?


ちなみに、読み物としてはオードリーの若林さんの解説の方が本当に面白い(笑)f:id:aromatomoko:20190616144106j:image